年中無休(水曜:予約診療日)/往診可能

2025年5月6日火曜日

今回のブログは、異物を飲み込んでしまった子達への対応です!! 

対応が早ければ、吐かせることで解決しますが、吐かせにくい異物もいくつかあります。

そんな時は内視鏡で摘出してます。

今回は、おもちゃを食べちゃった子です。



しっかりと取れて安心ですね☺️
猫ちゃんの誤飲もよくあるのでまとめてみました。

参考にしてください!


🐱猫ちゃんの異物誤飲:

猫における異物誤飲はよく見られる救急疾患であり、特に「ひも状異物(LFB:linear foreign bodies)」と「個体異物(DFB:discrete foreign bodies)」が多く見られます。

  • **ひも・糸・毛糸・ミシン糸(針付き含む)**などが多く、口から腸まで絡まって「腸の蛇腹状ひだ形成」を起こすことがあります。

  • その他、おもちゃ・スポンジ・プラスチック・ゴム・布・髪留め・スリッパの一部・骨の破片など多種多様なものが誤飲されます。

  • 消化器疾患で来院する猫のうち、**約10%**が最終的に異物閉塞と診断されたという報告もあります。


🔹年齢と発症傾向

  • 全年齢に起こりますが、若い猫で多発する傾向が顕著です。

  • 平均年齢は約3.3歳で、2歳未満の猫が多くを占めるという報告もあります。

  • **雑種(Domestic Shorthair)**が約7割、**オス猫にやや多い傾向(60~70%)**も指摘されています。

  • 高齢猫の誤飲も報告があり、平均11歳での誤飲(薬のピルケースの先端)が見られた例もあります。

  • リスク因子として、完全室内飼い、ストレス、不安傾向、運動不足が挙げられ、**異食行動(pica)**との関連が疑われています。


🔹治療法:内視鏡 vs 手術

  • 胃や食道までの異物であれば、内視鏡による摘出が第一選択で、**成功率は約88%**と高いです。

  • 例えば、ミシン針の誤飲例(19頭中18頭が内視鏡で摘出成功)では、外科手術を回避できました。

  • 腸まで進んだり、閉塞や炎症がある場合は、手術(開腹・腸切開・胃切開)が必要です。

  • ひも状異物では、腸を複数箇所切開したり、壊死部分の切除が必要なこともあり、より複雑な手術になります。

  • 例:ピルケースの先端を誤飲した15件中、自然排出は1件のみ9件が内視鏡摘出、5件は嘔吐で排出でした。


🔹予後と合併症

  • 適切な治療を受けた猫では予後は非常に良好です。

  • 異物摘出後の生存率は91~100%と非常に高く、術後の腹膜炎や吻合部離開などの重篤な合併症は少ないとされています。

  • 特に犬に比べて、猫は手術後の腸の縫合部の破裂が少ない傾向にあります。

  • 死亡率は10%未満ですが、以下の要因でリスクが高まります:

    • 線状異物(腸を切断するように損傷)

    • 閉塞が長期化した場合

    • 既に敗血性腹膜炎を発症していた場合(この場合は生存率約50%)


✅まとめ

  • 猫の異物誤飲は特に若齢猫で多くひも状異物や小型おもちゃの誤飲が目立ちます。

  • 多くの場合、内視鏡や外科的な摘出が必要ですが、早期対応で予後は極めて良好です。

  • 飼い主は、ひも・ビニール・おもちゃの破片・ピルケースなど、小さな日用品の管理に注意することが重要です。



困ったことがありましたらいつでも相談してください。

2025年5月5日月曜日

だんだん気温が高くなってますね。

ゴールデンウィークも後半です。わんちゃんとのお出かけには注意してください。
少し早いですが、熱中症についてコメントします。


犬の熱中症

犬の熱中症は命にかかわる緊急疾患で、**体温の異常上昇(しばしば41℃以上)**と、中枢神経系の障害を伴い、多臓器不全を引き起こす可能性があります。極端な高温への暴露や過度の運動により、体温調節機構が破綻し、全身性炎症反応(SIRS)が発生し、最終的には播種性血管内凝固(DIC)や多臓器障害へと進展することがあります。


1. 臨床症状と診断

熱中症の犬は、**急な虚脱、高体温、過度のパンティング(速い呼吸)、嘔吐や下痢(時に血便)、ショック症状(頻脈・弱い脈拍)、神経症状(錯乱、けいれん、昏睡)**などを示します。**出血傾向(点状出血や血便)**がみられることもあります。

診断は、高温への曝露や激しい運動の既往、臨床徴候、血液検査・凝固検査によって行います。血液検査では、肝酵素や腎機能の上昇、電解質異常、凝固異常などの臓器障害が確認されることが多いです。

→ ポイント:中核体温が約40.6℃以上で神経症状を伴う場合、熱中症と診断されます。


2. 治療(救急処置と支持療法)

早期の冷却と全身管理が治療の柱です。ぬるま湯での体濡らしや扇風機による気化熱冷却が推奨されます(氷水やアルコールは避けます)。

動物病院では、冷却、点滴による循環維持、酸素投与、気道確保(必要なら挿管)などが行われます。

体温が約39.5℃まで下がったら冷却を停止し、反跳性低体温を防ぎます。DICに対しては血漿製剤や抗凝固薬、けいれんには抗けいれん薬、胃腸障害には胃薬などの対処がされます。

→ NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)は腎障害や胃腸出血を悪化させる恐れがあるため使用しません


3. 予後とリスク要因

重症例の致死率は約**50%**と報告されており、治療開始までの時間が予後に強く影響します。

死亡リスクを高める要因には、以下が含まれます:

  • DICや急性腎不全の発症

  • 来院時の昏睡、低血糖、凝固異常(PT/aPTTの延長)

  • 高齢、肥満、90分以上の来院遅れ、けいれんの発現

逆に、意識があり反応が良好で、軽度の異常のみの場合は、適切な処置で完全に回復するケースもあります。


4. 予防法

熱中症は予防が最も効果的です。以下の対策が推奨されています:

  • 暑い時間帯の散歩・運動を避ける

  • 日陰と飲水の確保

  • 室内では換気やエアコン使用

  • 車内に犬を残さない(短時間でも危険)

  • 暑さに慣らす期間(1〜2週間の段階的な運動)

→ 短頭種(フレンチブルドッグ、パグなど)や肥満犬は特に注意が必要です。運動による熱中症の割合は、車内放置よりも圧倒的に多いという報告があります。


5. 疫学(発症しやすい犬種・気候)

熱中症は世界中どこでも発生しますが、夏場に多く、特に暑く湿度の高い地域での発生が多いです。

ある研究では、症例の74%が運動後に発症し、5%のみが車内放置によるものでした。

また、以下の犬種・特徴に多く見られます:

  • 大型犬(ラブラドール、シェパード)

  • 短頭種(フレンチブルドック、パグ、ブルドック)

  • 肥満犬、高齢犬

  • 心臓病・呼吸器疾患を持つ犬

近年は地球温暖化の影響で熱中症症例の増加が予想されており、予防啓発の重要性が高まっています。


暑い日の運動は控えめにしてくださいね。








2025年5月4日日曜日

🐶【腹腔鏡による犬の避妊手術のご案内】🔍


🔸腹腔鏡手術とは?

お腹に小さな穴をあけ、細いカメラと器具を使って行う、体にやさしい手術方法です。お腹を大きく切らずに済むため、負担が少なく済みます。


🔸メリット

✅ 傷口が小さく、痛みや出血が少ない

✅ 術後の回復が早い(通常の日常生活へ戻るのも早め)

✅ 傷が小さいので見た目もきれい

✅ 手術中にお腹の中をしっかり観察できるため、安全性が高い


🔸通常の開腹手術との違い

  • 開腹手術:3〜5cm以上の切開

  • 腹腔鏡手術:約0.5〜1cmの小さな穴を2〜3ヶ所

    → より少ないストレスで手術を受けられます。


🔸おすすめの理由

避妊手術は、将来的な病気(子宮蓄膿症・乳腺腫瘍など)の予防につながります。

さらに腹腔鏡を使うことで、より安心で快適な避妊手術が可能になります。

痛みの少ない良い手術だと思ってます。参考にしてください!








2025年5月2日金曜日


 

🐾【嚥下障害と逆流のやさしい解説】🐾


✅ 正常な「飲み込み」のしくみ


犬や猫がごはんを食べるとき、次のような流れで食べ物が胃に送られます:

  1. 舌の動きで口の奥に食べ物が集められる

  2. のど(咽頭)の筋肉が動いて、食道に押し込まれる

  3. 食道の筋肉が波のように動いて、胃まで運ばれる


この一連の動きには、顔や舌を動かす神経、のどの神経、食道の神経が正しく働く必要があります。

猫は特に、食道の下の方に「平滑筋」という筋肉があるため、その筋肉も正しく働くことが重要です。


⚠️ 嚥下障害(うまく飲み込めない)


飲み込む動きのどこかに問題がある状態を「嚥下障害」と言います。主な種類は以下の3つです:

  1. 口の問題

     ごはんをうまくつかめない、こぼす、ずっと噛んでいるなど。

  2. のどの問題

     何度も飲み込もうとして吐きそうになったり、食べ物を戻したりする。

  3. 食道の問題

     食べ物がうまく通らず、逆流や肺に入ってしまうことがある。


※どの部分が原因なのか見分けるのは難しいため、実際の様子を観察したり、動画で確認することがとても役立ちます


💡 嚥下障害の原因(例)

  • 口の中やのどの炎症(感染・免疫の病気・毒物など)

  • 異物や腫瘍などによる通り道の邪魔

  • あごの関節の脱臼や骨折

  • 神経や筋肉の病気(筋肉の力が弱くなるなど)

  • ホルモンの病気(甲状腺の働きが低下する病気など)


🩺 診断と対応


嚥下障害があると、肺炎を起こす危険性もあるため、以下のような診察や検査が行われます:

  • 実際に食べている様子を観察

  • X線や内視鏡などの画像検査

  • 血液検査やホルモンの検査

  • 神経や筋肉のチェック など


🐶 日常で気をつけること

  • 食事中に変なしぐさがないか注意する

  • 口からこぼしたり、飲み込めていない様子があればすぐ受診

  • 症状が動画で撮れるなら、獣医さんに見せるのがとても有効!

2025年3月31日月曜日
 2025年4月13日(日)14時~16時 

当院にて、動物保護団体「にじいろの猫」さんと合同で譲渡会を行います。

アロハ動物医療センターの里子では、ネコちゃんだけでなくワンちゃんもいます。

気になる方、触れ合ってみたい方、気兼ねなくお越しください。

アロハ動物医療センターの里子は、主に疾患を抱えている子が多くいます。ご理解の程お願い申し上げます。疾患の詳細については、獣医師より説明させていただきますので、その上でトライアルを考えていただければと思います。

 ※3/16の知立市での譲渡会は、当院は参加致しませんのでご注意下さい。


2025年2月28日金曜日

  2025年3月9日(日)14時~16時 

当院にて、動物保護団体「にじいろの猫」さんと合同で譲渡会を行います。

アロハ動物医療センターの里子では、ネコちゃんだけでなくワンちゃんもいます。

気になる方、触れ合ってみたい方、気兼ねなくお越しください。

アロハ動物医療センターの里子は、主に疾患を抱えている子が多くいます。ご理解の程お願い申し上げます。疾患の詳細については、獣医師より説明させていただきますので、その上でトライアルを考えていただければと思います。

 ※3/16の知立市での譲渡会は、当院は参加致しませんのでご注意下さい。


2025年1月24日金曜日
2025年2月2日(日)14時~16時 

当院にて、動物保護団体「にじいろの猫」さんと合同で譲渡会を行います。

アロハ動物医療センターの里子では、ネコちゃんだけでなくワンちゃんもいます。

気になる方、触れ合ってみたい方、気兼ねなくお越しください。

アロハ動物医療センターの里子は、主に疾患を抱えている子が多くいます。ご理解の程お願い申し上げます。疾患の詳細については、獣医師より説明させていただきますので、その上でトライアルを考えていただければと思います。

 ※2/16の知立市での譲渡会は、当院は参加致しませんのでご注意下さい。


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