今回のブログは、異物を飲み込んでしまった子達への対応です!!
対応が早ければ、吐かせることで解決しますが、吐かせにくい異物もいくつかあります。
そんな時は内視鏡で摘出してます。
今回は、おもちゃを食べちゃった子です。
しっかりと取れて安心ですね☺️
猫ちゃんの誤飲もよくあるのでまとめてみました。
参考にしてください!
🐱猫ちゃんの異物誤飲:
猫における異物誤飲はよく見られる救急疾患であり、特に「ひも状異物(LFB:linear foreign bodies)」と「個体異物(DFB:discrete foreign bodies)」が多く見られます。
**ひも・糸・毛糸・ミシン糸(針付き含む)**などが多く、口から腸まで絡まって「腸の蛇腹状ひだ形成」を起こすことがあります。
その他、おもちゃ・スポンジ・プラスチック・ゴム・布・髪留め・スリッパの一部・骨の破片など多種多様なものが誤飲されます。
消化器疾患で来院する猫のうち、**約10%**が最終的に異物閉塞と診断されたという報告もあります。
🔹年齢と発症傾向
全年齢に起こりますが、若い猫で多発する傾向が顕著です。
平均年齢は約3.3歳で、2歳未満の猫が多くを占めるという報告もあります。
**雑種(Domestic Shorthair)**が約7割、**オス猫にやや多い傾向(60~70%)**も指摘されています。
高齢猫の誤飲も報告があり、平均11歳での誤飲(薬のピルケースの先端)が見られた例もあります。
リスク因子として、完全室内飼い、ストレス、不安傾向、運動不足が挙げられ、**異食行動(pica)**との関連が疑われています。
🔹治療法:内視鏡 vs 手術
胃や食道までの異物であれば、内視鏡による摘出が第一選択で、**成功率は約88%**と高いです。
例えば、ミシン針の誤飲例(19頭中18頭が内視鏡で摘出成功)では、外科手術を回避できました。
腸まで進んだり、閉塞や炎症がある場合は、手術(開腹・腸切開・胃切開)が必要です。
ひも状異物では、腸を複数箇所切開したり、壊死部分の切除が必要なこともあり、より複雑な手術になります。
例:ピルケースの先端を誤飲した15件中、自然排出は1件のみ、9件が内視鏡摘出、5件は嘔吐で排出でした。
🔹予後と合併症
適切な治療を受けた猫では予後は非常に良好です。
異物摘出後の生存率は91~100%と非常に高く、術後の腹膜炎や吻合部離開などの重篤な合併症は少ないとされています。
特に犬に比べて、猫は手術後の腸の縫合部の破裂が少ない傾向にあります。
死亡率は10%未満ですが、以下の要因でリスクが高まります:
線状異物(腸を切断するように損傷)
閉塞が長期化した場合
既に敗血性腹膜炎を発症していた場合(この場合は生存率約50%)
✅まとめ
猫の異物誤飲は特に若齢猫で多く、ひも状異物や小型おもちゃの誤飲が目立ちます。
多くの場合、内視鏡や外科的な摘出が必要ですが、早期対応で予後は極めて良好です。
飼い主は、ひも・ビニール・おもちゃの破片・ピルケースなど、小さな日用品の管理に注意することが重要です。
困ったことがありましたらいつでも相談してください。