年中無休(水曜:予約診療日)/往診可能

2025年5月2日金曜日


 

🐾【嚥下障害と逆流のやさしい解説】🐾


✅ 正常な「飲み込み」のしくみ


犬や猫がごはんを食べるとき、次のような流れで食べ物が胃に送られます:

  1. 舌の動きで口の奥に食べ物が集められる

  2. のど(咽頭)の筋肉が動いて、食道に押し込まれる

  3. 食道の筋肉が波のように動いて、胃まで運ばれる


この一連の動きには、顔や舌を動かす神経、のどの神経、食道の神経が正しく働く必要があります。

猫は特に、食道の下の方に「平滑筋」という筋肉があるため、その筋肉も正しく働くことが重要です。


⚠️ 嚥下障害(うまく飲み込めない)


飲み込む動きのどこかに問題がある状態を「嚥下障害」と言います。主な種類は以下の3つです:

  1. 口の問題

     ごはんをうまくつかめない、こぼす、ずっと噛んでいるなど。

  2. のどの問題

     何度も飲み込もうとして吐きそうになったり、食べ物を戻したりする。

  3. 食道の問題

     食べ物がうまく通らず、逆流や肺に入ってしまうことがある。


※どの部分が原因なのか見分けるのは難しいため、実際の様子を観察したり、動画で確認することがとても役立ちます


💡 嚥下障害の原因(例)

  • 口の中やのどの炎症(感染・免疫の病気・毒物など)

  • 異物や腫瘍などによる通り道の邪魔

  • あごの関節の脱臼や骨折

  • 神経や筋肉の病気(筋肉の力が弱くなるなど)

  • ホルモンの病気(甲状腺の働きが低下する病気など)


🩺 診断と対応


嚥下障害があると、肺炎を起こす危険性もあるため、以下のような診察や検査が行われます:

  • 実際に食べている様子を観察

  • X線や内視鏡などの画像検査

  • 血液検査やホルモンの検査

  • 神経や筋肉のチェック など


🐶 日常で気をつけること

  • 食事中に変なしぐさがないか注意する

  • 口からこぼしたり、飲み込めていない様子があればすぐ受診

  • 症状が動画で撮れるなら、獣医さんに見せるのがとても有効!

専門外来 CT・画像診断病理センター