傷口の処置には、まさかの「はちみつ」
アロハ動物医療センターAloha Animal Medical Center
〒444-2144 愛知県岡崎市岩津町於御所181
年中無休(水曜:予約診療日)/往診可能
こんにちは、アロハ動物医療センターです。
肌寒くなり、秋の深まりを感じる季節となりましたね。
さて、当院では本日より10月・11月・12月を「犬の健康診断推進月間」とさせていただきます!
「うちの子は元気そうだから大丈夫」「まだ若いから必要ないかな?」
そう思っていらっしゃる飼い主様もいるかもしれません。
しかし、犬は人間と比べて体の不調を隠すのが得意な動物です。
私たちが気づかないうちに、病気が進行しているケースも少なくありません。
病気の早期発見・早期治療:
健康診断で異常が見つかれば、早い段階で治療を開始できます。これにより、病気の進行を防ぎ、愛犬への負担を最小限に抑えることができます。
病気の予防:
定期的な健康チェックは、将来的な病気のリスクを予測し、適切な予防策を講じることにも繋がります。生活習慣のアドバイスや、食事の見直しなども行えます。
愛犬の「いつも」を知る:
健康な時のデータを記録しておくことで、もしもの時に「いつもと違う」変化を正確に把握することができます。これは、獣医師が適切な診断を下す上で非常に重要な情報となります。
当院の健康診断では、愛犬の年齢や状態に合わせて様々な検査をご提案しています。
身体検査:
体重、体温、心臓や肺の聴診、目のチェック、耳のチェック、歯の状態、触診(しこりがないかなど)を行います。
血液検査:
貧血や炎症、臓器の機能(肝臓、腎臓など)に異常がないかを確認します。
尿検査・便検査:
泌尿器系の病気や寄生虫の有無などを調べます。
レントゲン検査・超音波検査:
必要に応じて、内臓の状態や骨・関節に異常がないかを詳しく調べます。
特に症状がなくても、年に一度の健康診断をおすすめしています。
シニア期の犬(小型犬:7歳以上、大型犬:5~6歳以上)は、半年に一度のペースで健康診断を受けることで、より早く異変に気づくことができます。
この機会に、ぜひ愛犬の健康についてじっくり考えてみませんか?
「犬の健康診断推進月間」中には、健康診断に関するお得なプランや特典をご用意している場合もございますので、詳細はお気軽に当院スタッフまでお問い合わせください。
愛犬がこれからも元気に、笑顔で過ごせるように。
アロハ動物医療センターが、皆様と愛犬の健康をサポートさせていただきます。
ご予約・お問い合わせをお待ちしております!
オーナーの皆様へ:大切な家族の健康を守るために
大切なご家族であるペットの健康は、飼い主さんにとって一番の願いですよね。日々のケアはもちろん、病気の早期発見や適切な予防が、彼らが健やかに過ごすために不可欠です。今回は、ペットの健康管理に役立ついくつかのポイントをご紹介します。
定期的な健康チェックのすすめ
定期的な健康診断は、病気のサインを見つける上で非常に重要です。採血検査やエコー検査、特定の病変に対するブラックライト検査など、様々な方法でペットの健康状態を詳しくチェックすることができます。特に、今まで問題がなかった腎臓の数値が急に上がることもありますので、継続的な確認が大切です。
毎日のお世話で気をつけたいこと
予防薬の投与
フィラリアやノミ・ダニの予防薬は、定期的に与えることが推奨されます。フィラリアの予防薬は基本的に安全とされていますが、妊娠中や後輩後の投薬については、安全な薬とそうでない薬があるため、必ず獣医師にご相談ください。
食事と水分摂取
体重管理は健康の基本です。食欲があることは良いサインですが、好きなものだけを食べる傾向がある場合もあります。腎臓病食など、特定の病気に対応した食事もありますが、好みに合わないこともあるため、獣医師と相談しながら最適な食事を見つけることが大切です。特に腎臓の機能が低下している場合は、十分な水分摂取が重要になります。お水を飲みやすくするために、形にしたり、自動給水器を使ったり、氷を浮かべたりと、工夫して飲ませることもできます。
行動の変化に注意
普段と違う行動には注意が必要です。例えば、朝だけ足がうまく動かない、おやつを食べない、うんちが柔らかい、といった変化は、何らかの体調不良のサインかもしれません。便の形や色、尿の状態なども日頃から確認し、気になることがあれば教えてください。
感染症の予防
稀に、人間からペットへ感染するウイルス(例:ノロウイルス)もあります。特に飼い主さんが体調を崩している場合は、ペットとの接触に注意し、もし感染が疑われる症状が出た場合は、早めに獣医師にご相談ください。
病気かな?と思ったら
腎臓病の治療
腎臓の数値が上がってしまうと、点滴治療が最も効果的で、飲み薬や食事療法も併用されることがあります。点滴は最終的に毎週数回行う必要がある場合もありますが、回数を重視して行うことで数値の改善が期待できます。腎臓病は一度悪くなると元に戻りにくいため、早期からの注意が必要です。
アレルギー性皮膚炎
背中や耳の周りなどに赤いカサブタのような炎症が見られる場合、アレルギー反応である可能性があります。猫は意外と敏感なため、アレルギーが起こりやすいです。消毒薬や塗り薬で対処できることが多いので、気になる場合はご相談ください。
体内の炎症
体内で強い炎症が起きている場合、CRP(炎症反応タンパク)の数値が非常に高くなることがあります。発熱を伴うこともあり、原因を特定し、点滴や飲み薬で治療を進めることが重要です。
日頃の注意点
激しい運動は控え、安静に過ごすことが推奨される場合もあります。特に体調が優れない時は、無理をさせないようにしてください。
これらの情報は、大切なペットの健康を守るための一助となれば幸いです。何かご心配なこと、気になることがございましたら、いつでもお気軽にご相談ください。
獣医さんとの会話から見えてくる、大切な家族の健康管理 「うちの子、ちょっといつもと違う…?」そんな時、動物病院での獣医さんとの会話は、大切な家族の健康を守る上で非常に貴重な情報源となります。今回は、実際の診察での会話から見えてきた3つの症例をご紹介します。
症例1
日常の診察の一部の紹介です。何もない日を積み重ねるのが、医療の力です。
大切な家族であるペットが、いつまでも元気に過ごせるように。
当院でよくあるご相談をもとに、予防医療の基本から身近な不調への対応までをわかりやすくまとめました。
1. 予防医療:健康維持の基本
ワクチン接種
ワンちゃん(6種混合ワクチン8種ワクチン、10種混合ワクチン)のネコちゃん(3種ワクチン、5種ワクチン)のワクチン接種はも行っています。ペットの生活環境や活動レベルに応じて、など、最適な種類をご提案いたします。例えば、山や川、自然豊かなドッグランへよく行く場合は10種が推奨されますが、家の周りの散歩程度であれば6種で十分とされています。ワクチン接種後も、体調の変化にご注意いただき、安静にしていただくようお願いしています。
寄生虫予防と駆虫
散歩に出かける機会が増える幼齢期から、ノミ・マダニ、フィラリア、お腹の虫などの寄生虫予防薬の投与をお勧めしています。予防薬には、これらの寄生虫にまとめて対応できるオールインワンタイプの内服薬もあり、生活スタイルに合わせて選択可能です。特に草むらや山間部ではノミ・マダニが多く生息しているため、予防が非常に重要です。
2. 一般的な診察と治療
眼科疾患
目の診察では、まぶたの腫れ(マイボーム腺炎など)や充血、炎症がよく見られます。また、色素沈着の進行や、まれにメラノーマなどの悪性腫瘍の可能性も考慮し、定期的な経過観察を行っています。治療には、点眼薬、抗生剤、消炎剤、軟膏などを状態に合わせて処方し、時には手術が必要となる場合もあります。
皮膚科・耳科疾患
皮膚のかゆみや炎症、乾燥肌、肛門腺のトラブル、耳の赤みや耳垢など、皮膚・耳に関する様々な症状に対応しています。原因としては、ストレス、アレルギー、細菌感染などが考えられます。治療には、飲み薬(抗生剤、消炎剤)、消毒薬、塗り薬の他、保湿剤や皮膚の状態に合わせたシャンプー・トリートメント、シャワーヘッドの変更などもご提案することがあります。重度の場合は専門的な検査(皮膚検査、血液検査)を行うこともあります。
消化器疾患
下痢や嘔吐、食欲不振などの症状は、消化器系の問題が考えられます。異物誤飲の可能性があればレントゲン検査や内視鏡、手術が必要となることもあります。ジアルジアなどの寄生虫感染や細菌感染、アレルギー、膵炎などが原因となることもあり、血液検査やエコー検査、便検査などで診断を行います。治療は、点滴、吐き気止め、整腸剤、抗生剤、食欲増進剤などの投薬や、食事内容の変更(手作り食、療法食など)を通じて行われます。
整形外科疾患(膝蓋骨脱臼など)
ワンちゃんの膝の疾患として、膝蓋骨脱臼(パテラ)の診断と治療を行っています。膝蓋骨脱臼はグレード1から4までの段階があり、遺伝的要素も強いため、特に繁殖を考えている場合は慎重な判断が必要です。触診やレントゲン検査でグレードを評価し、症状や飼い主様の希望に応じて、手術の適応や経過観察の方針を決定します。
予防は最大の治療です。ワクチンと寄生虫対策を生活環境に合わせて計画しましょう。気になる症状が出たら自己判断せず早めの受診を。原因の見極めと適切な治療が回復を早めます。診療や費用、ケアの方法は個々の子で最適解が異なります。不安や疑問はいつでもご相談ください。
(ブログ掲載用に編集しています。院内方針や料金、詳しいスケジュールはお問い合わせください。)
心臓の診察は、聞く(問診)→見る(視診)→触る(触診)→聴く(聴診)の順で情報を集め、パズルのように組み合わせて原因を探します。ここでは、病院で実際に何をするのか、そしておうちで気づいてほしいサインを分かりやすくまとめます。
飼い主さんからの情報がいちばん大切です。
咳や呼吸:いつから?どんな時に出る?(猫の咳は少なめですが、呼吸が苦しそうなら緊急のことがあります)
ふらつき・失神:一瞬意識を失う、倒れるなどがあれば心臓のリズム異常が疑われます。
お腹の張り・体重の変化:急にお腹がふくらむ、食欲はあるのに痩せるなどは、体に水がたまるタイプの心不全で見られることがあります。
運動時の変化:散歩を嫌がる、すぐ疲れる、階段を避ける など。
いただいた情報は、このあとの診察(聴診や触診)で確かめる大切な手がかりになります。
呼吸の様子:口を開けて息をする/息が速い/座ったまま首を伸ばして呼吸する…は要注意(肺に水がたまる・胸に水がたまる などの可能性)。
歯ぐきや舌の色:紫っぽい(チアノーゼ)、白っぽいときは、体に十分な血や酸素が回っていないサイン。
首の血管:首の血管がどくどく目立つと、体に水がたまりやすいタイプの心不全を疑います。
胸に手を当てる:心臓の鼓動の強さ・位置、胸に振動を感じるほどの強い雑音がないかを確認します。
お腹(腹部):水がたまっていないか(腹水)、肝臓が大きくなっていないかをチェック。
足の付け根の脈(大腿動脈):脈の強さ、左右差、リズムの乱れ(脈が飛ぶ)をみて、不整脈の手がかりにします.
心拍数とリズム:速すぎる/遅すぎる/不規則などがないか。
心雑音:どの場所で、どれくらいの強さかで、弁の逆流などのヒントになります。強い雑音がある場合は、レントゲンや心エコーなどの精密検査をご提案します。
三拍子の心音(ギャロップ):特に猫で心臓病の重要なサインです。
肺の音:ゼロゼロ・パチパチ音がないかも確認し、肺水腫や胸水の手がかりにします。
口を開けての呼吸(特に猫)/息がとても速い・苦しそう
歯ぐきが紫っぽい/真っ白に見える
ふらつきや失神があった
急にお腹が張ってきた
眠っているときでも呼吸数が1分で40回以上(目安)
※呼吸数の測り方:胸の上下を30秒数えて×2します。
安静:ジャンプや走り回りを控える。
動画を撮る:咳や呼吸の様子をスマホで撮って見せてください。受診時の手がかりになります。
環境:室温・湿度を快適に。興奮やストレスを避ける。
記録:飲水量・食欲・体重・投薬の時間をメモ。
Q. 心雑音がある=すぐ手術ですか?
A. いいえ。多くは薬でコントロールします。必要に応じてレントゲン・心エコー・血圧などを行い、最適な治療を選びます。
Q. 咳は全部、心臓が原因ですか?
A. いいえ。気管や肺の病気でも咳は出ます。心臓かどうかは診察と検査で見分けます。
Q. お腹が出てきました。太っただけ?
A. 脂肪の場合もありますが、水(腹水)がたまることも。触診と画像検査で確認します。
心臓の診察は「聞く→見る→触る→聴く」を組み合わせ、原因に近づきます。
早めの相談と適切な検査・治療で、苦しさを軽くし、良い生活を保つことができます。
迷ったら、まずはお電話やWeb予約でご相談ください。写真・動画があると診断の助けになります。
本記事は一般的なご案内です。診断や治療は、実際の診察のうえで決定します。
~マダニと猫・人へのリスク、TNR活動に関わる皆さんへ~
SFTS(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome:重症熱性血小板減少症候群)は、マダニが媒介するウイルス性感染症です。日本でも報告が増えており、ヒトでは高熱や倦怠感、嘔吐、重症化すると致死率が約3割にも達します。猫や犬などペットにも感染が確認されており、動物からヒトへの感染事例も報告されています。
主な感染経路は、マダニに咬まれること。
最近の研究では、感染した猫から人へ(特に体液や血液に触れた場合)の感染も指摘されています。
特にTNR活動(野良猫の捕獲・不妊手術・元の場所へ返す活動)に従事する方や、体調不良の猫に接する獣医療関係者は、十分な注意が必要です 。
SFTSに感染した猫の症状:
ぐったりしている
発熱
黄疸
血小板数の低下
このような症状が見られる場合、「TNR活動での受け入れには特に注意が必要」とされています 。
捕獲・搬送前に「元気かどうか」「食欲はあるか」などをしっかり確認しましょう。
本当にリスクを排除したい場合は、体温測定や、CBC(血球計算)、ヘマトクリット値による血液検査も有効です。
元気な猫で、上記の症状がなければ、SFTSのリスクはかなり低いと考えられます 。
ダニから人にSFTSがうつるため、ダニがついている猫はなるべく除去してください。
スポット剤は有効ですが、完全な感染防御にはならないため注意が必要ですが、推奨します
ぐったりした猫・SFTSの疑いがある猫を扱う時は、マスク・ゴーグル・帽子などの個人防護具を必ず着用しましょう。
可能な限り隔離スペースや陰圧室での対応が望ましいです。
体調の悪い猫は、通常のTNR活動ではなく専門病院で診断・隔離を。
現場では「自己責任」とされやすい課題も多く、行政・議会レベルでの法整備の必要性も訴えられています。
獣医師は「公衆衛生を守る資格」であり、地域猫管理やTNR活動における感染症対策も大切な使命です 。
ペットの定期的なマダニ予防、健康チェック、室内飼いの推奨が重要です。
不安な場合や体調不良時は、早めに動物病院・医療機関にご相談ください。
SFTSは「知ること・備えること」で防げる感染症です。みんなでリスクを減らして、動物と人の安心な共生を守りましょう!
TNR活動や野良猫・外飼い猫の管理、また日常の診療現場でも、「猫の健康状態をしっかり確認し、ダニ対策・防護具着用を徹底すること」が、SFTS予防の最も大切なポイントです。
感染の可能性がある場合は、無理な対応をせず、必ず専門の施設や医療機関と連携しましょう。
下痢は、「うんちの水分が多くなる」「回数が増える」「量が増える」といった状態を指します。
発症から7~14日以内なら“急性下痢”、2~3週間以上続く場合や、何度も繰り返す場合は“慢性下痢”と呼びます。
急性下痢:食べ慣れないものを食べた、または消化管の寄生虫が多いです。
慢性下痢:数週間以上続く下痢は、消化管や全身の病気が関与することがあります。
下痢は主に以下の理由で起こります。多くの場合、これらが複数絡み合っています。
浸透圧異常(水分の吸収バランスが崩れる)
分泌異常(腸から水分が多く分泌される)
粘膜の障害(腸のバリアが壊れやすくなる)
腸の動きの異常(運動異常)
パグやフレンチブルドッグに多い「涙やけ」や「目やに」…実は涙の通り道が曲がってる!?
最近、パグやフレンチブルドッグ、イングリッシュブルドッグといった "鼻ぺちゃ犬" の人気が高まっています。でも、「目がいつも潤んでいる」「涙やけがひどい」「鼻先がカサカサしている」なんてお悩みを抱えていませんか? 実はそれ、涙の通り道="鼻涙管(びるいかん)" に問題があるかもしれません。
今回は、最新のCT検査で明らかになった短頭種犬の涙の通り道の異常について、わかりやすく解説します。
【涙はどこへ行くの?】 涙は目の表面を潤した後、目頭の小さな穴(涙点)から "涙道" に入り、最後は鼻の中へ排出されます。これが「涙が鼻水になる」仕組みです。
【短頭種の犬ではどうなってるの?】 CTを使ったドイツの研究では、パグやフレンチブルドッグでは涙の通り道が…
・涙の通り道(鼻涙管)が短く、角度が急で ・涙の管が通常と逆方向に折れ曲がり ・管の途中で「横道(副開口)」ができて、涙が別ルートに流れている
という驚きの結果が出ました!
【なぜそれが問題?】 短頭種の多くは、涙が本来の出口(鼻前庭)から出ずに、鼻の奥へ流れてしまいます。これにより:
・涙が目の周りにたまりやすく、涙やけや目やにに ・鼻先が乾燥してガサガサになる(涙が鼻の先まで届かないため) ・通常の涙管検査が役に立たないことも(検査液が鼻から出てこない)という問題が起こります。
【対策はあるの?】 全ての短頭種犬が問題を起こすわけではありませんが、次のことに注意しましょう:
・涙やけや鼻の乾燥が気になる場合は、動物病院で相談を ・目の周りの清潔を保ち、刺激や感染を防ぐ ・涙が流れにくい構造の可能性があることを理解しておく
【まとめ】 パグやフレンチブルドッグの「うるうるした目」には、実は涙の抜け道の奇形が隠れていることがあります。見た目の可愛さの裏には理由があったんですね。日頃のケアと心配でしたらご相談くださいね
輸血をする際には、**犬同士の血液の相性(適合性)**を確認する「クロスマッチ(交差適合試験)」を行います。
輸血する側(ドナー犬)と、受け取る側(患者犬)の血液を試験管で混ぜて、拒絶反応(免疫反応)が起きないかを調べます。
これにより、副作用や命に関わる事故のリスクを最小限に抑えることができます。
犬の血液型には「DEA」という種類があり、中でもDEA 1型が重要です。
犬は初回の輸血では強い拒絶反応が起きにくいとされますが、2回目以降は非常に危険になることもあります。
クロスマッチで問題が見つかった場合は、別のドナーを探します。
❤️ 安全のためにご協力を
飼い主様のご理解と同意のもとで輸血を行います。
輸血後も24時間以内の体調変化に注意し、異変があればすぐに病院へご連絡ください。
Q. 犬にも血液型があるのですか?
→ はい、犬には「DEA(Dog Erythrocyte Antigen)」という血液型があります。DEA 1型が特に重要です。
Q. 安全性は高いですか?
→ はい。輸血の前にクロスマッチなどの試験を行い、安全を最大限確保しています。
今回のブログは、異物を飲み込んでしまった子達への対応です!!
対応が早ければ、吐かせることで解決しますが、吐かせにくい異物もいくつかあります。
そんな時は内視鏡で摘出してます。
今回は、おもちゃを食べちゃった子です。
参考にしてください!
猫における異物誤飲はよく見られる救急疾患であり、特に「ひも状異物(LFB:linear foreign bodies)」と「個体異物(DFB:discrete foreign bodies)」が多く見られます。
**ひも・糸・毛糸・ミシン糸(針付き含む)**などが多く、口から腸まで絡まって「腸の蛇腹状ひだ形成」を起こすことがあります。
その他、おもちゃ・スポンジ・プラスチック・ゴム・布・髪留め・スリッパの一部・骨の破片など多種多様なものが誤飲されます。
消化器疾患で来院する猫のうち、**約10%**が最終的に異物閉塞と診断されたという報告もあります。
全年齢に起こりますが、若い猫で多発する傾向が顕著です。
平均年齢は約3.3歳で、2歳未満の猫が多くを占めるという報告もあります。
**雑種(Domestic Shorthair)**が約7割、**オス猫にやや多い傾向(60~70%)**も指摘されています。
高齢猫の誤飲も報告があり、平均11歳での誤飲(薬のピルケースの先端)が見られた例もあります。
リスク因子として、完全室内飼い、ストレス、不安傾向、運動不足が挙げられ、**異食行動(pica)**との関連が疑われています。
胃や食道までの異物であれば、内視鏡による摘出が第一選択で、**成功率は約88%**と高いです。
例えば、ミシン針の誤飲例(19頭中18頭が内視鏡で摘出成功)では、外科手術を回避できました。
腸まで進んだり、閉塞や炎症がある場合は、手術(開腹・腸切開・胃切開)が必要です。
ひも状異物では、腸を複数箇所切開したり、壊死部分の切除が必要なこともあり、より複雑な手術になります。
例:ピルケースの先端を誤飲した15件中、自然排出は1件のみ、9件が内視鏡摘出、5件は嘔吐で排出でした。
適切な治療を受けた猫では予後は非常に良好です。
異物摘出後の生存率は91~100%と非常に高く、術後の腹膜炎や吻合部離開などの重篤な合併症は少ないとされています。
特に犬に比べて、猫は手術後の腸の縫合部の破裂が少ない傾向にあります。
死亡率は10%未満ですが、以下の要因でリスクが高まります:
線状異物(腸を切断するように損傷)
閉塞が長期化した場合
既に敗血性腹膜炎を発症していた場合(この場合は生存率約50%)
猫の異物誤飲は特に若齢猫で多く、ひも状異物や小型おもちゃの誤飲が目立ちます。
多くの場合、内視鏡や外科的な摘出が必要ですが、早期対応で予後は極めて良好です。
飼い主は、ひも・ビニール・おもちゃの破片・ピルケースなど、小さな日用品の管理に注意することが重要です。
困ったことがありましたらいつでも相談してください。
犬の熱中症は命にかかわる緊急疾患で、**体温の異常上昇(しばしば41℃以上)**と、中枢神経系の障害を伴い、多臓器不全を引き起こす可能性があります。極端な高温への暴露や過度の運動により、体温調節機構が破綻し、全身性炎症反応(SIRS)が発生し、最終的には播種性血管内凝固(DIC)や多臓器障害へと進展することがあります。
熱中症の犬は、**急な虚脱、高体温、過度のパンティング(速い呼吸)、嘔吐や下痢(時に血便)、ショック症状(頻脈・弱い脈拍)、神経症状(錯乱、けいれん、昏睡)**などを示します。**出血傾向(点状出血や血便)**がみられることもあります。
診断は、高温への曝露や激しい運動の既往、臨床徴候、血液検査・凝固検査によって行います。血液検査では、肝酵素や腎機能の上昇、電解質異常、凝固異常などの臓器障害が確認されることが多いです。
→ ポイント:中核体温が約40.6℃以上で神経症状を伴う場合、熱中症と診断されます。
早期の冷却と全身管理が治療の柱です。ぬるま湯での体濡らしや扇風機による気化熱冷却が推奨されます(氷水やアルコールは避けます)。
動物病院では、冷却、点滴による循環維持、酸素投与、気道確保(必要なら挿管)などが行われます。
体温が約39.5℃まで下がったら冷却を停止し、反跳性低体温を防ぎます。DICに対しては血漿製剤や抗凝固薬、けいれんには抗けいれん薬、胃腸障害には胃薬などの対処がされます。
→ NSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)は腎障害や胃腸出血を悪化させる恐れがあるため使用しません。
重症例の致死率は約**50%**と報告されており、治療開始までの時間が予後に強く影響します。
死亡リスクを高める要因には、以下が含まれます:
DICや急性腎不全の発症
来院時の昏睡、低血糖、凝固異常(PT/aPTTの延長)
高齢、肥満、90分以上の来院遅れ、けいれんの発現
逆に、意識があり反応が良好で、軽度の異常のみの場合は、適切な処置で完全に回復するケースもあります。
熱中症は予防が最も効果的です。以下の対策が推奨されています:
暑い時間帯の散歩・運動を避ける
日陰と飲水の確保
室内では換気やエアコン使用
車内に犬を残さない(短時間でも危険)
暑さに慣らす期間(1〜2週間の段階的な運動)
→ 短頭種(フレンチブルドッグ、パグなど)や肥満犬は特に注意が必要です。運動による熱中症の割合は、車内放置よりも圧倒的に多いという報告があります。
熱中症は世界中どこでも発生しますが、夏場に多く、特に暑く湿度の高い地域での発生が多いです。
ある研究では、症例の74%が運動後に発症し、5%のみが車内放置によるものでした。
また、以下の犬種・特徴に多く見られます:
大型犬(ラブラドール、シェパード)
短頭種(フレンチブルドック、パグ、ブルドック)
肥満犬、高齢犬
心臓病・呼吸器疾患を持つ犬
近年は地球温暖化の影響で熱中症症例の増加が予想されており、予防啓発の重要性が高まっています。
暑い日の運動は控えめにしてくださいね。
🔸腹腔鏡手術とは?
お腹に小さな穴をあけ、細いカメラと器具を使って行う、体にやさしい手術方法です。お腹を大きく切らずに済むため、負担が少なく済みます。
🔸メリット
✅ 傷口が小さく、痛みや出血が少ない
✅ 術後の回復が早い(通常の日常生活へ戻るのも早め)
✅ 傷が小さいので見た目もきれい
✅ 手術中にお腹の中をしっかり観察できるため、安全性が高い
🔸通常の開腹手術との違い
開腹手術:3〜5cm以上の切開
腹腔鏡手術:約0.5〜1cmの小さな穴を2〜3ヶ所
→ より少ないストレスで手術を受けられます。
🔸おすすめの理由
避妊手術は、将来的な病気(子宮蓄膿症・乳腺腫瘍など)の予防につながります。
さらに腹腔鏡を使うことで、より安心で快適な避妊手術が可能になります。
痛みの少ない良い手術だと思ってます。参考にしてください!
犬や猫がごはんを食べるとき、次のような流れで食べ物が胃に送られます:
舌の動きで口の奥に食べ物が集められる
のど(咽頭)の筋肉が動いて、食道に押し込まれる
食道の筋肉が波のように動いて、胃まで運ばれる
この一連の動きには、顔や舌を動かす神経、のどの神経、食道の神経が正しく働く必要があります。
猫は特に、食道の下の方に「平滑筋」という筋肉があるため、その筋肉も正しく働くことが重要です。
飲み込む動きのどこかに問題がある状態を「嚥下障害」と言います。主な種類は以下の3つです:
口の問題
ごはんをうまくつかめない、こぼす、ずっと噛んでいるなど。
のどの問題
何度も飲み込もうとして吐きそうになったり、食べ物を戻したりする。
食道の問題
食べ物がうまく通らず、逆流や肺に入ってしまうことがある。
※どの部分が原因なのか見分けるのは難しいため、実際の様子を観察したり、動画で確認することがとても役立ちます。
口の中やのどの炎症(感染・免疫の病気・毒物など)
異物や腫瘍などによる通り道の邪魔
あごの関節の脱臼や骨折
神経や筋肉の病気(筋肉の力が弱くなるなど)
ホルモンの病気(甲状腺の働きが低下する病気など)
嚥下障害があると、肺炎を起こす危険性もあるため、以下のような診察や検査が行われます:
実際に食べている様子を観察
X線や内視鏡などの画像検査
血液検査やホルモンの検査
神経や筋肉のチェック など
食事中に変なしぐさがないか注意する
口からこぼしたり、飲み込めていない様子があればすぐ受診
症状が動画で撮れるなら、獣医さんに見せるのがとても有効!
当院にて、動物保護団体「にじいろの猫」さんと合同で譲渡会を行います。
アロハ動物医療センターの里子では、ネコちゃんだけでなくワンちゃんもいます。
気になる方、触れ合ってみたい方、気兼ねなくお越しください。
※アロハ動物医療センターの里子は、主に疾患を抱えている子が多くいます。ご理解の程お願い申し上げます。疾患の詳細については、獣医師より説明させていただきますので、その上でトライアルを考えていただければと思います。
※3/16の知立市での譲渡会は、当院は参加致しませんのでご注意下さい。
2025年3月9日(日)14時~16時
当院にて、動物保護団体「にじいろの猫」さんと合同で譲渡会を行います。
アロハ動物医療センターの里子では、ネコちゃんだけでなくワンちゃんもいます。
気になる方、触れ合ってみたい方、気兼ねなくお越しください。
※アロハ動物医療センターの里子は、主に疾患を抱えている子が多くいます。ご理解の程お願い申し上げます。疾患の詳細については、獣医師より説明させていただきますので、その上でトライアルを考えていただければと思います。
※3/16の知立市での譲渡会は、当院は参加致しませんのでご注意下さい。